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2009年2月 3日 (火)

マルシャンガー

Img_2290  ロンドンから西に、車でM3を1時間半ほど行ったベィシングストークという町の近くに、マルシャンガーという村があります。その村の中に、広い野原と森のある敷地内に、チャペル・当時の使用人たちの家々がある比較的こじんまりとしたお屋敷があります。それが、HTB(ホーリー・トリニティ・イン・ブロンプトン教会)の多目的施設です。Img_2266 Img_2267_2

 そこで、1月27日~29日、セント・バーナバス教会のスタッフ・リトリートがありました。「日本語部牧師のヒロシもぜひ来るように」、と半年前から決められていたリトリート計画でした。スタッフ16人の内、14人が白人の英国人で、1人が中国人の血が半分は言った会計担当の女性で、あとの1人は私です。私以外は全員、英語が第一言語です。Img_2274

  27日朝に教会のミニバスと、ヘンリーのワゴンに分乗して出発。車の中で、私は寝てしまって、目覚めたら羊がたくさんいる緑の大草原に!英国の芝生や動物の食料となる草は、冬でも青々としています。

Img_2268 Img_2269   スタッフの休息と、聖書の学びと適正診断テスト、今年の教会改装計画の話し合い、そして祈りが行われました。日本で行われるリトリートのイメージからは程遠くリラックスしたものでした。私と同室になったのは、副牧師のコリンです。私たちの部屋は、チャイニーズ・ルームという名前が付いていて、3方の壁一面に見事な花鳥画が描かれていました。

 食事は、2泊3日の中の6回の食事を自分たちで作るために、ヘンリー&ジェーン牧師夫妻が山ほどの食材を買ってきてくれて、それを3班に分かれた私たちで、交代に食事を作り、また後片付けをするという自炊当番制。お茶の用意もこの3班で順番に午前と午後に一回ずつ交代してします。2晩のディナーのおおまかなメニューは決まっていて、一晩目のメインは、チキンと冬野菜のクリームパスタ、二晩目は、ローストしたVenison(ヴェナスン)。ヴェナスンとは、若い鹿の肉のことです。ウサギやキジは食べたことがありましたが、鹿は初めてでした。食事当番が回ってくると、リトリート中の大きなリビングを抜け出して、2時間もかけて5人で力を合わせて食事を作るのです。もちろん、デザートも。しかし、これはジェーンが自宅で前もって作ってくれたものがありました。1晩目:Sticky Toffy Pudding(スティッキー・トフィー・プディング)=きわめて英国的な家庭料理のお菓子。これがまた旨いんです。英国料理がまずいなどと誰が言い出したのでしょうか。2晩目:果物を溶かしたチョコに浸して食べる“チョコレート・フォンデュ”。2時間ほどかけてゆっくり食事をします。この食事中は、教会の仕事の話・深刻な話題・打ち合わせなどは、ゼッタイにしません。本当に冗談を言い合って、会話と食事を楽しむことに集中するかのようです。

 一晩目は、ロンドンのセント・バーナバス教会のスタッフ事務室・書斎にまだデスクをもっていない3人の牧師のために、低予算で出来る範囲で、改築をする案が出されて、そのための話し合いがありました。実は、私もまだ自分専用のデスクをもっていなかったのですが、ヘンリーが自分の書斎を、私を含む3人の牧師に明け渡して、自分は教会裏庭に建っているプレハブに移るというのです。本当に足腰の軽い、心の謙遜な牧師です。二晩目の夜は、リビングの暖炉に火を入れて、皆その周りのソファに思い思いに座って、ゲームをしたり、ゲームと言っても静かにするのではなく、とにかく語る語る語り続ける、語ること・聞くことが主要な時間です。暖炉の火が落ちるまで、夜中まで語り続けて、私は英語を聞き・話す集中力が途中で切れてしまいます。けれども、これもスタッフの輪を強める貴重な時間だと知りました。私もゲームをして、また、身の上話をして、また祈ってもらい、祈り、お互いのことが今まで以上に、よくわかり、お互いが大切な友人になったと感じます。

Img_2288 Img_2291  朝は、朝食の前に、敷地内の広大な森を散歩しました。行けども行けども木々で、その間を縫って歩くとあちこちに、英国の春一番を告げるスノー・ドロップというスズランに似た花が群生していました。秋に落ちてまだ土化していない枯葉の下から、たくましくニョキニョキ出た緑鮮やかな茎と葉は、本当に創造の自然の不思議さと美しさを感じさせてくれます。

 2日目の午後は、あいにくの小雨模様でしたが、30キロほど南下したところにある古都ウィンチェスターに皆でミニバスで行きました。ここもただ観光というのではなく、2人一組になって、ヘンリー夫妻が前もって用意したカフェの写真を手がかりに、そこにたどり着く時間を設定して、あとはそれぞれの組で街をカフェを探しながら、歩き回るというゲームをしました。私の相棒は、子供の日曜学校担当のエリオットです。実は、私はウィンチェスターを訪れるのが、これで5回目となるので、小さな町はほとんど頭に入っていて、カフェがどこにあるかすぐ分かりました。エリオットは初めてのウィンチェスターで、日本人の私が英国人のエリオットに観光ガイドして歩くという珍道中となりました。

 ウィンチェスターは、円卓の騎士、アルフレッド王の地として有名で、代々の英国王は、この小さいけれども美しい古都で、戴冠式を行うのです。そのウィンチェスター大聖堂は、ことに有名です。しかし、私は小さな粉引き小屋の水車や、透明度の高い小川沿いの小路の方が好きです。

 3日目の午前、最後のセッションでは、昨年の回顧とこれからの抱負を、堅苦しくなく、それぞれが、自由に語りました。個人の思いに偏らないで、教会全体の歩みの中での苦しみや悩みも分かち合い、何人かは涙を流してお祈りしました。

 午後5時ごろ、教会に戻ってきて、皆と別れて帰路に着きました。

 リラックスしたという意味では、これまでのどんな旅よりもリラックスできたと思います。その証拠にまったく疲れは残りませんでした。かえって、翌朝は早く起きて、生きる希望とやる気に満ちていました。これが本当のリトリート、“世から退いて休息し英気を養うこと”ではないかな、と思わされます。なぜ疲れていないのか。皆といるときも、一人のときも、寝るときも、起きるときも、森でも、自由時間のウィンチェスターの町でも、いつも神を思い、聖書を読んで、祈りに集中していたからではないか、と思います。PCも開くこともなく、電話が鳴ることもなく、神の創造された自然に包まれていたからでもあると思います。

 祈るために主イエスは度々山に一人で登られました。あれはリトリートだったんですね。“一人リトリート”、いや、神様との“二人リトリート”。これから疲れたら、一日、全く一人になって、御言葉と祈りに集中してみてはいかがでしょうか。何よりの身体の休息と魂の癒しになることを保証します。

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